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DISCRETE CORE LADDER VCF

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Width: 18HP

DISCRETE CORE LADDER VCFは、Moogで有名なトランジスター・ラダー構成のフィルター回路を基本とし、最大-24dB/octの急峻な減衰性能を持つVCFモジュールです。トランジスターを始め、フィルター回路を構成するパーツをすべてディスクリート部品とし、低ノイズで低歪みのオーディオ性能を達成。伝統的な回路に新たな可能性を吹き込んだ上質なフィルターです。

​オーディオ信号の入力端子が3つ有り、各々に対応したノブでレベルを調整し、ミックスした信号をフィルターに通すことが可能です。

BOOSTコントロール

まず、特長のひとつである、"BOOST"ノブによるサウンド補正機能をご紹介します。

トランジスター・ラダー構成のフィルター回路は、レゾナンスのレベルを上げると低域のレベルが減衰してしまうので、ベースのような音色ではサウンド的に物足りないと感じるでしょう。明瞭感を出したいときには、それが良い場合も有りますが、"BOOST"ノブによって低域のレベルを補正・上昇(BOOST)することで、リッチなベースラインを奏でることが可能になります。

他のノブに比べて小さいノブですが、その役割は重要です。

マルチスロープ出力

DISCRETE CORE LADDER VCFは、"-24dB/oct"以外に"-18dB/oct"と"-12dB/oct"、"-6dB/oct"の4つの減衰特性(スロープ)を通過した各々のオーディオ信号を個別に同時出力します。これは大変大きなアドバンテージです。

これら4つのスロープ出力は位相が90度ずれて出力します。

"-6dB/oct":0度

"-12dB/oct":90度

"-18dB/oct":180度("-6dB/oct"の位相反転)

"-24dB/oct":270度

となります。この4つのスロープ出力を外部のミキサー(もしくはGATE MIXのようなミキサーモジュールなど)でミックスすると、いくつかの周波数がキャンセルされますが、そのことが創造性を高めることになります。

例えば、0度と180度や、90度と270度の関係にあるオーディオ信号を、カットオフ周波数をずらしてミックスすると、魅力的なバンド・パスフィルターを実現できたり、ハイ・パスフィルターを形成できたりもします。その振る舞いはOberheimの"Expander"のフィルターと同じですが、Moogのフィルター設計を基にしているからこそ、ユニークなフィルターと言えるでしょう。

また、内部的には"-24dB/oct"の出力位相を90度ずらして"-6dB/oct"にフィードバックしています。こうすることで正帰還となり、レゾナンスを発生します。

​自己発振によるオシレーター機能

"INPUT 1 - 3"セクションにオーディオ信号を入力しなくても、レゾナンスレベルを上げていく("RESONANCE"ノブを時計回転に回していく)と、自己発振(セルフオシレーション)を起こし、オシレーターとしても使えます。

自己発振を起こしているときに、"CV INPUT"の"1V/OCT"端子へCV信号を入力し、CV信号を変化させればレゾナンスの中心周波数が移動し、VCOと同じ振る舞いをします。また、"RESONANCE"ノブの代わりに、"CV INPUT"の"RES"端子へCV信号を入力しても同様です。

ユニークなのは、"Q LIN"スイッチです。

​次の図をご覧ください。

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"Q LIN"スイッチを上側(ハイ・パスフィルターの特性カーブのようなマーク側)へセットすると、一般的なトランジスター・ラダー構成の回路のフィルターと同様、カットオフ周波数を低域へ下げていくと、レゾナンスのレベルが低下します。

逆に、"Q LIN"スイッチを下側(横一線のマーク側)へセットしたときには、カットオフ周波数を低域へ下げていっても、レゾナンスのレベルは変わりません。これは、レゾナンスの中心周波数が1Hz以下まで保持されます。

​ハイ・クオリティなシグナルパス

ここで、オーディオ信号の経路(シグナルパス)について、付け加えておきましょう。

フィルター回路に入力される​オーディオ信号の振幅レベルが8Vp-p(プラス側のピークレベルからマイナス側のピークレベルまでの電圧値が8ボルト)に到達すると、コンプレッサーを通したように、フィルター回路でオーディオ信号がサチュレーション(飽和)し始めます。信号に歪みが発生することで、倍音が生じます。その結果、ハードコンプを掛けたかのようで、クリーミーなサウンドをもたらします。

逆に、オーディオ信号の振幅レベルがそこまで大きくない通常時は、非常にクリーンなサイン波を感じ取れるほど低歪みで、無信号時のフロアノイズも非常に低いレベルです。特に、セルフオシレーションで発生したサイン波はとてもクリーンなサウンドとなっています。

この製品に限らず、シグナルパスは人間の血管の如く、重要な位置付けで設計しています

求められるサウンドクオリティを、これまで培われた経験を基に、丁寧に仕上げています。

​⇒詳細はユーザーズ・マニュアルをご参照ください。

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