VARIABLE SYNC VCO
Width: 16HP
VARIABLE SYNC VCOは、アナログ・シンセサイザーのVCOに求められる5種類の波形をすべて同時且つ、正確なピッチで出力できる、素晴らしいサウンドのVCOモジュールです。
オシレーター・シンクに関わる部分は、熱がこもりがちなケース内において、周囲温度による影響が小さいパーツを採用し、非常に正確な追従性を持つ回路で構成されているので、深い変調が掛けられるリニアFM変調等が可能です。他のモジュールも含め、当社のモジュールに採用されている重要なパーツは自社で選別し、その作業は手が掛かりますが、そうすることで、あなたのメイン機材となるに相応しいサウンドを提供します。
各種波形の同時出力
このVARIABLE SYNC VCOのオシレーターは、あなたが望むようなビンテージ・アナログシンセサイザーのサウンドを提供します。伝統的なRampコアの発振回路といくつかの波形整形回路により、鋸歯状波(SAW UP)と鋸歯状波の位相反転(SAW DOWN)、パルス幅可変の矩形波(PULSE)、三角波(TRIANGLE)、基本波(SINE)といった波形を出力します。私たちは、回路の挙動に対してランダム性や予想外の結果を好みますが、安定したチューニングが最も重要であるという信条の元に、回路の決定をしています。
"TUNE"セクションには、オシレーターの発振周波数レンジを"LOW","MID","HIGH"の3段階で切り替えることができるスイッチと、10回転まで回せて且つ、精密な調整が可能な"TUNE"ノブが有り、正確で安定したチューニングをもたらします。"TUNE"ノブの右上に見られるレバーは、ノブの回転をロックするレバーで、誤ってノブに触れてチューニングがずれないようにするといった配慮が施されています。
オシレーター・シンク
活き活きとしたサウンドは、音色や正確なチューニングだけによるものではありません。他のVCOとオシレーター・シンクするときは、ノブや入力されるCV信号で設定、制御した"スレッショルド(閾値)"による、VCO間の位相差(例えば、"Soft Sync"や"Hard Sync"といった違い)も、ひとつの要素として付け加えられます。例えば、"Soft Sync"と"Hard Sync"の間をモーフィング(徐々に変化)すると、サウンドが活き活きとしたものになります。他にも興味深い楽しみ方があります。例えば、奇妙な音色や不思議な音色を創るために、"SYNC"セクションにある"THRESHOLD(スレッショルド)"ノブか、"SYNC CV"端子に入力するCV信号で、波形の振幅方向に対して”スレッショルド”を設定することで、 周期的に一定期間のパルス波形にする"PULSE TRAINS"効果や、時々、音を激しく変化させたり、途切らせたりする効果が得られます。FM変調(周波数変調)を伴えば、倍音成分が無い(歪んでいない)ピュアなサイン波から美しい倍音成分を持ったサイン波に変化するような音色も創り出せます。
FM変調(周波数変調)
オシレーター・シンクでも触れましたが、FM(Frequency Modularion)変調を掛けることも可能です。
リニアFM変調(ここで言うリニアとは、変調する元波形の周波数と変調される波形の周波数の比率が正比例した関係のこと)によるFM変調は、オシレーター波形同士を直接掛け合わせるので、より深い変調が期待出来ます。"INPUT"セクションの"LIN FM"端子に入力する信号でリニアFM変調を掛けることができますが、内部回路は、入力信号に対してAC結合とし、微分応答にすることで基準周波数からのズレを最小限に抑えることで、深い変調を可能にしています。(よって、"LIN FM"端子の入力信号の想定はCV信号では無く、オーディオ信号となります)
また、"EXP FM"セクションにある"FM 1"と"FM 2"端子へCV信号を入力し、CV信号によるエクスポーネンシャルFM変調も可能です。こちらは、CVで、変調周波数を制御するので、CV信号のレベル変化に対して、変調周波数が指数関数(エクスポーネンシャル)カーブで変化します。
各端子にはCV信号レベルを調節(アッテネート=減衰)するノブが備わっています。時計方向に振り切った状態で、入力CV信号の減衰は無しとなります。サブ・オシレーターが無くても、エクスポーネンシャルFM変調が有ることで、倍音生成が可能となっているのが、このVCOモジュールの特長のひとつです。
PWM機能
"PWM"セクションには、矩形波(パルス)のデューティー(Pulse Width)を変えることが出来る"PW"ノブと"CV"ノブが有ります。
また、"INPUT"セクションにCV信号を入力する"PWM"端子を備えています。
それらを使って、パルスのデューティーを変えることで、PWM変調(Pulse Width Modulation)が可能です。
⇒詳細はユーザーズ・マニュアルをご参照ください。
セッティングメモ用パネル図